2011年8月21日日曜日



新幹線が走るのをみれば踏ん張れなかった自分をグーにした右手でぶんなぐりたくなるからもしかしたらあの新幹線に乗ればあまりの速さに時間さえも越えてあの街に着く頃にはわたしを過去へと運んでくれるのではと無意味でテイタラクなことに頭を使っている夜にわたしは君に話しかけられなくてトイレの前で待ち伏せたりしていた中学二年生のわたしを思い出したりして短い前髪をいつまでもいつまでも気にしたりしてスニーカーのかかとを踏んで歩く帰り道に陸橋から見る景色を葉書に書いて送るから君が見た非常階段からの夕日と交換しようと言いながら開けた電気冷蔵庫の中には4分の1になったスイカが夏の終わりのようで名残惜しくなかなか包丁が握れないから雷がなる夜に映画をひっそりと見た秋を順に思い出す暇なんてないんだと言い聞かせようではないかとハンドルを握る君の背中にしがみつく日々はどこまでも続くと疑わずそれが走り去った後を追いかける風にわたしは我にかえったのだ。おかえりなさい。

例えばの話。
この日々を守り続ければこの意思は
誠実という言葉で塗り替えられるのだろうか。