わたしはいつも笑ってなんかいなかったし、
最後すら唇を尖らせていたのだよ。
あのひ、きみは「よし、」と言って一歩を踏み出し、
あのひ、わたしは「でも、」と後ろを振り向いた。
数ヶ月が経ち、「よし、」といって、「でも、」という。
夢中になれるものをまさぐりながら、
何もつかめない私は焦るばかりです。
こんなところは一目散に逃げたしたいのに
なんでこんなに手が動かないのでしょう。
頭も体も考えているフリをしているのでしょう。
いまのわたしは見えない背中を勝手に想像することしかでない。
それはきっとある種のことは考えないように努めて
ある種のことだけに夢中になる君の後ろ姿で
その見えない背中を勝手に追いかけて追いつけず
勝手に焦っているのだ。焦っているのだ。
どうしよう、どうしよう。どうしよう。
おい、明日香ちゃん、そこでうずくまってても、
もうだれも手を差し伸べてはくれないよ。
でも、いまなにがしたいのかよくわからないんだよ。
畜生が。一年経ってもダセェな!