2012年10月5日金曜日



空は白けて雲が次第に赤らむのを眺める

いつかに切りそろえた髪が急に情けなく思えば、

目的地へ急ぐ車の風を切る音は潔く、

どこへ行けばいいのかわからないこの身を切り裂いていく。

いつかの節操ない自分を、

七回半の呼び鈴の向こうから、

じっとこちらを睨みつけられている気がして耳を塞ぐ。

まとわりついて離れない音に負けそうな、

10月の空に置いてきぼりをくらった月と風鈴。