2011年12月15日木曜日



すこすこと擦れ合う音の中で

消えてしまいそうな記憶と見つめ合い

生き残ってしまった兵士のように

ぶらりと街頭のない道を歩きます。



しげしげと与えられた眼差しの中で

飽和する感情を受け止めるべきかと

行くべき道を見失った迷子のように

じっとりと人間の往来を眺めています。




気付けば名も知らない場所へ辿り着き

記憶の吹雪にもみくちゃにされた私は

電波を伝って聞こえたその声を頼りに

やっとこさ一日をやってのけ

当たり前のようにやってくる明日を

見るともなく睨みながら

記憶の隙間に立ち尽くす私に警告する

しっかりせーよと千里眼の声。