幼い頃、お父さんと家の前の田んぼまで行き、
あぜ道を歩いていた時に
西の空にものすごく大きい夕日が沈んでいくのを
二人並んで見ていた、
という情景をたまにふっと思い出すのだが、
本当にあんなに夕日が大きかったのだろうかといつも思う。
あれは現実だったのか、私が生み出した幻想なのだろうか。
3回目にトイレに駆け込んだ時にはもう出るものもなくなっていた。
なんだかすっきりしたような、疲れ果てた感じで、
さっきまで寄りかかっていた便器を眺めながら、
お父さんとみた大きくて真っ赤な夕日をまた思い出していた。