影が落ちる程の月明かりは見えない太陽の力を思わせる。
とぼとぼと歩く帰り道に不意に想像した。
中学2年生の頃の自分と肩を並べて歩きながら
互いの今の悩みだとか思っていることとかを
語り合ったら私たちはものすごく意気投合するのではと。
日々のあやふやさや、
言いたいことをノドに詰まらせてしまうもどかしさを
そうそう、そうなんだよね!わかるよ!どうしたらいいんだ!
なんて相づちを打ち合うんじゃないかって。
25歳の私と、14歳のわたし。
私は彼女の未来を少しだけ知っている。
数年後上京し、デザインを学び、
髪の毛を随分伸ばすことを知ったら
目を丸くするんだろう。
でも、10年以上経ったって、
わたしは何にも変わらないんだね。
とかっていって言うんだろう。
その表情はどんなだろうか。
変わらないものを大事にして生きてきたんだ。
って言ってあげたい。
そして、彼女に自信を持ちなよって言ってもらいたい。
なんて、思ったりしたのだ。帰り道に、私は。