2012年8月2日木曜日







夏になると鈍行列車にのってのろのろと旅をしたことを思い出さずにはいられない。この前読んだコラムにトランジットについての記述があった。旅は、美しい景色をみたり、おいしいものを食べたりということよりも、飛行機の乗換のために空港で何時間も待ったあの心細さの方が遥かに記憶に残っている。目的地までどれだけ苦労したのかということも旅の醍醐味であるという内容だった。それを読んでからあの頃楽しんだ旅行の光景を思い出してみると、車窓からの景色や、ボックス席の向かいの席に乗っけた自分の両足や、背負った荷物の重さや、電車も動かず見知らぬ街で足止めを食らった夜だとか、そんなことばかりが思い浮かんだのだ。会社に入ってもっと海外旅行をしておけばよかったと思ったこともあったが、あれはあれで良かったのだと思う。

毎日私たちは目的地へたどり着こうと手をこまねいている。
悔しく思ったり、悲しくなったり、たまにうれしくなったりする。
いつ目的地へつけるのかわからない不安や、
もう引き返したくなる気持ちを抱えたりするのだ。

とにかく目的地がハッピーエンドであることを願って止まない毎日だ。